パルムフェンス キャンペーン

D&D3.5 オリジナルキャンペーン資料

クオトア

この人型生物は人間に比べれば少し背が低い。丸々と太った身体は細かい鱗に覆われており、ずんぐりとした、あるいは膨れたような外見をしている。腕と脚は細く、しなやかと言ってよいほどである。その先には、ヒレのように見える大きな手と腫れた足がついている。弾丸型の頭部は魚のようで、丸い銀黒色の目と針のように鋭い歯でいっぱいの大きな口を備えている。

 

クオトアは邪悪な性質と悪魔的な傾向で知られる、太古からの水棲人型種族である。

ほとんどの者たちは、このおぞましいクリーチャーとの接触を避けているが、時には避けるのが不可能なこともある。クオトアは大洋の最深部に棲んでいる、忘れられた太古の悪について多くの知識を持つ。

平均的なクオトアは身長5フィート(約1.5m)ほどで、その体重は160ポンド(約73kg)ほどである。

クオトアの体色はたいてい銀灰色だが、感情によって変化する。怒れば暗赤色となり、恐れれば薄い灰色か白色となる。クオトアの周りの空気は、強い腐った魚の臭いがまとわりついている。

クオトアはクオトア語、地下共通語、水界語を話す。

 

■クオトアの社会

クオトアは地下に共同体を築いて暮らすが、そこには気晴らしや繁殖のための水たまりが豊富にある。彼らは魚と同じように繁殖し、水陸両生の特殊能力が発達するまで(孵化してから約1年)、特別な水たまりで子供を育てる。

鞭令たちの勢力のおかげで、事実上、すべてのクオトアは女神ブリブドゥールプループの熱心な信者である。彼らはこの女神を“海なる母”と呼ぶ。どのクオトアの共同体にも、“海なる母”に捧げられた社が少なくとも1つはある。大寺院のある大きな共同体は、いくつかの小さな集落の中心となる。そうした共同体はグループ間交易や政治の中心でもある。ドラウ(ダーク・エルフ)はクオトアから恐れられ憎まれているにも関わらず、事実上すべてのクオトアの共同体はドラウとその下僕たちに開かれており、彼らは有用な品物やサービスを提供している。そうした敵意は、クオトアとドラウの間で起こる、多くの小競り合いや頻繁な誘拐のもとになっている。

 

■クオトアのキャラクター

クオトアの適正クラスはローグである。多くのクオトアのリーダーはクレリック/ローグのマルチクラスか、クレリック(鞭令)である。クオトアのクレリックはブリブドゥールプループを崇拝する。ブリブドゥールプループは“混沌にして悪”であり、好む武器はピンサー・スタッフである。ブリブドゥールプループのクレリックは以下のうちから2つの領域を選ぶことができる;悪、破壊、水。監護士と呼ばれるクオトアのモンクも存在する。

     

クオトアは、少々間抜けな見た目と違い、人間並みに賢いクリーチャーである。魔法を理解し、罠を警戒し、それなりのアイテムを作る器用さも持ち合わせている。集団になれば、目上のクオトアの命令に従い、組織だった行動を取る。

以下のデータは、一般的なクオトアのものである。クオトアの大部族には、様々なクラスのクオトアがいる。適正クラスであるローグを始め、集団を率いているのはブリブドゥールプループ神に使えるクレリックであるし、魔法の素質を持って生まれたソーサラーも存在する。彼らは獲物や敵勢力を待ち構えるために、魔法のものを含めた様々な罠をしかける。部族の大部分は訓練されたファイターである。彼らは粘着液を塗ったシールドで武装し、ピンサー・スタッフで相手をからめとる戦法を得意としている。

クオトア 中型サイズの人怪 <自然12>

脅威度: 2、[しばしば中立にして悪]、

クオトア語、地下共通語、水界語

HD:2d8+2、hp11

イニシア:0、速度20ft(4マス) / 水泳50ft(10マス)

AC16 (+6外皮)

またはAC18 (+6外皮、+2木製ヘヴィ・シールド)

接触10 / 立ちすくみ16または18、基本攻撃+2、組み付き+3

近接攻撃+3 (1d6+1、ショートスピア)

遠隔攻撃+2 (1d6+1、ショートスピア)

または+3 (1d4+1、噛みつき)

全力攻撃+3 (1d6+1、ショートスピア)

および-2 (1d4、噛みつき)

接敵面/間合い:5ft / 5ft、SV頑健:3 / 反応:3 / 意志:5

13+1,10+0,13+1,13+1,14+2,8-1

《電撃》《鋭敏視覚》《水陸両生》《毒と麻痺に対する完全耐性》《[電気]に対する抵抗10》《ぬめりけ》《粘着液》《光による盲目化》

<聞き耳+7><視認+11><忍び足+3><水泳+9><製作>または<知識(何か1つ) +4><捜索+8><脱出術+8>

《鋭敏感覚》《頑健無比》

出現環境:温暖/水界

宝物:標準

 

・電撃(超常):2体以上のクオトアのクレリック(“鞭令”と呼ばれる)は共同して1d4ラウンドに1回、電撃を生み出すことができる。電撃を放つためには、鞭令たちは手をつながなければならないが、電気を貯めている間は互いから30ft以内にいるだけでよい。この電撃は鞭令1人につき1d6ポイントのダメージを与えるが、反応SVに成功すれば半減させることができる(難易度13+鞭令の人数)

・ピンサー・スタッフ:クオトアのファイターの多くと、7LV以上の鞭令全員はこの大型サイズの特殊武器を身に帯びている。ピンサー・スタッフ(ハサミ杖)は1d10ポイントの殴打ダメージを与え、ダイスの目が20でクリティカル可能領域となり、クリティカル・ヒットでは2倍のダメージを与える。間合いは10ftで、隣接する敵に対しては使用できない。サイズが小型から大型までの敵に命中させたなら、使用者は機会攻撃を誘発することなく1回のフリー・アクションで組みつきを始めることができる。使用者が組みつき判定に成功したなら、相手を捕えている限り、ピンサー・スタッフは敵をつかみ、毎R1d10ポイントのダメージを与える。

《鋭敏視覚(変則)》:クオトアは独立して焦点を合わせることのできる2つの目のおかげで優れた視力を持つ。彼らの視覚は非常に優れているため、不可視状態やエーテル状態であっても、動く物体やクリーチャーを視認することができる。そうした物体やクリーチャーは完全に静止し続けている限り、発見されずに済ませることができる。

《水陸両生(変則)》:クオトアはエラで呼吸してはいるが、陸の上でも時間制限なしに生存することができる。

《ぬめりけ(変則)》:クオトアは全員、油膜を分泌しており、そのため、彼らに組みついたり、彼らを罠で捕えたりするのは難しい。ウェブの魔法や魔法のものでない蜘蛛の巣はクオトアに効果がなく、彼らはその他のほとんどどんな種類の拘束からも抜け出してしまう。

《粘着液》:クオトアは自分の身体から出る油とその他の材料を使って、シールドにハエ取り紙のような仕上げをする。このため、彼らのシールドに触れたクリーチャーやアイテムはぴったりとくっついてしまう。クオトアに対する近接攻撃に”失敗”したものは反応SV(難易度14)に成功しなければならず、失敗すると攻撃者の武器はシールドにくっついてしまい、手からもぎ取られる。肉体武器を使っているクリーチャーがくっついてしまった場合、自動的に組みつかれた状態となる。

1体のクオトアがそのシールドに粘着液を塗りつけるには1時間と20gp分の特別な材料がかかる。この粘着液は3日経つか、実際に誰か、もしくは何かをくっつけるまで働きを失わない(この場合はすでに粘着液を使ってしまっているので追加のアイテムを捕えることはできない)。シールドにくっついてしまった武器や体を引き剥がすには難易度20の【筋】判定に成功する必要がある。

《光による盲目化》:突然(太陽光やデイライト呪文などの)まぶしい光にさらされると、クオトアは1Rの間、盲目状態となる。以降のラウンド、クオトアはまぶしい光の下で活動する間、目がくらんだ状態となる。