パルムフェンス キャンペーン

D&D3.5 オリジナルキャンペーン資料

第7話「The Dread Fortress (脅威の要塞)」

■冒険の導入

存在が明らかになったTRINITYは、海路で証拠を全て持ち出し、再び闇に消えた。またヴェラダインでは、増税によって人々の評議員に対する不満が高まっていた。街は不穏な空気に満ちており、爆発前の火山のような不気味な静けさがあった。

評議員フェルディナン・ファブスター氏の行方は知れないままだが、TRINITYたちは、かつてコンゴウ国を手中に治めようとしていた山賊 ”デス・アイ”バラックたちと手を結ぼうとしていたらしい。

ドワーフの王国を占拠していたバラックたちは、冒険者の襲撃を追手が迫ってきたと勘違いし、コンゴウ国を放棄してしばらく強盗しながら彷徨っていたが、やがてゴブリン族やオーク族を従えて勢力を拡大。そして巨人戦争で放棄された『ネイロス要塞』を拠点にして周辺を荒らしまわっているらしい。これにはヴェラダイン評議院も手を焼いており、街から正式に討伐を依頼された。

ネイロス要塞には、”デス・アイ”バラック、サディスティックなバーバリアンの人間イリアナ、邪神シャアに使える神官バーナル、高度な魔法を操るウィザードのゼモンら幹部たちのほか、

ディアー・ダックというオークのサムライが率いる”ダーク・ウェブ(黒い蜘蛛の巣)族”。

クロサレクと”蛇の”ラットグロブというバグベアに率いられたゴブリンの”パイロ・ファング(炎の牙)族”。

”磔の”スクラックバクというホブゴブリンに率いられた傭兵団”スプリンタード・スカル(割れた頭蓋骨)族”。

そして勝ち馬に乗ろうと集まってきたノールや人間の盗賊たち。

これらを集めて『醜き兄弟団(Brotherhood of Hideously)』を結成している。果たして冒険者たちは、100匹近い妖魔が巣くうネイロス要塞を攻略し、フェルディナンの行方を掴めるだろうか?

 

■参加キャラクター
(1) アノーリオン     :半エルフ、男、クレリック3(ラサンダー) / ファイター3
(2) ウズサロ       :半オーク、男、バーバリアン6
(3) フィル・オニキス   :エア・ジェナシ、女、スワッシュバックラー5
(4) ”魔弾の” ザック    :ノーム、男、ウィザード6
(5) ナイロ        :エルフ、男、ローグ5 / レンジャー1
(6) ミセル・スカーレット :半エルフ、女、バード6

 

■冒険ログ
不穏な空気の流れるヴェラダインを後に、冒険者たちは街道を東へ。途中で陸路の中継地点『ハーデクール』に寄る。ここで英気を養い、翌日からはゴブリンやオーガたちが跳梁跋扈する荒野をひた歩くことになる。天候に恵まれ、また<生存>技能に優れたウズサロの先導によってほぼ順調に要塞へと進む事ができた。

ネイロス要塞から1マイル(1.6km)ほど離れた場所に、攻略拠点となるキャンプ地を構えたが、匂いに敏感なゴブリンのウォーグ乗りに襲撃されてしまう。十分な距離を取って、じわじわと攻撃する戦い方に思わぬ苦戦を強いられるが、6LVに達した冒険者たちにかなう筈もなかった。

翌日は要塞の偵察に時間を割き、使い魔のカラスを使った至近距離からの偵察で大まかな様子が分かった。ラッキーな事に、情報で聞いていたほどのモンスターは常駐していないようだった。何があったのかは知らないが手練の者のほとんどはどこかへ出かけているようだ。しかし多勢に無勢は変わらず、有効な攻略手段を見つけられないでいた。

さらに砦を見張っていると、完全武装したホブゴブリンの部隊が砦を出発しているのを見つけた。後を追いって不意打ちを仕掛け、それらを撃退して少しだけ戦力を殺ぐことに成功する。また食料を探しに行ったゴブリンたちも倒した。

だが、あくる日に冒険者たちを焦らせる出来事が起こる。どこかの村を襲撃しに行っていた別働隊が、女子供を人質にして帰ってきたのだ。邪悪なデミヒューマンたちが人道的な扱いをするはずがない。救出作戦が急がれた。夜中に砦に侵入するも、潜入チームと待機チームの連携が上手くいかず、収穫の無い時間だけが過ぎてしまう。

そこへ、空を覆いつくすほど巨大な翼を広げたカッパー・ドラゴンが襲ってきた!!

彼はまだ20数年歳のヤング・ドラゴンで、名を「スキーツィア」と言う。近隣を荒らす山賊団を疎ましく思っており、冒険者たちをその一味だと勘違いして襲ってきたのだった。誤解はすぐに解け、陽気で目立ちたがり屋なカッパー・ドラゴンと共闘するために、彼を称える叙事詩を作る事を約束した。

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カッパー・ドラゴンという強力な味方ができたことで、冒険者たちは一気にネイロス要塞攻略に動き出した!スキーツィアがザックとナイロを乗せて空から強襲し、内側から正面扉を開ける。そして近接戦闘部隊が一気に踊りかかった!!不意打ちに動揺するゴブリンたちは、ドラゴン・ブレスとザックの範囲魔法に倒され、なだれ込んでくる者たちはウズサロの戦斧の餌食となった。

砦内は次々と現れるゴブリンたちの死体の山ができ、ついには各部族の長たちも戦線に加わった!矢玉が飛び交い、魔法のエネルギーがほとばしり、激しくぶつかり合う武器同士が火花を散らした。血風舞う凄惨な戦いは、ついに冒険者たちの勝利で終わった。

 

要塞の留守を預かっていた双子の指揮官・マークルとナーグルのうち、ナーグルを捕虜とした冒険者たちは、彼女の口から”デス・アイ”バラック達の行方を知った。

接触してきたTRINITYの使者は、かつてバラック達が居城としていたドワーフの王国「コンゴウ国」跡の深部へ至るため、バラックの持つ鍵を欲していた。勢力が増し、ネイロス要塞を狭く感じていたバラックは、コンゴウ国の攻略の手伝いと、その後の支配権を条件にして協力を受け入れ、精鋭部隊を連れてTRINITYたちとコンゴウ国へ向かっていたのだった。

また、ほぼ無害となった要塞の捜索を進めると、クリーチャーたちが隠した多くの宝と共に、以前倒したホブゴブリンの傭兵部隊は、ハーデクールにいる裏切り者の商人と結託しており、隊商を襲いに行く途中だった事や、バラック達が要塞を引き上げるついでに、ハーデクールの街を襲撃する計画もあったことが分かった。

更に、ネイロス要塞には地下階があり、そこには「おばば」と呼ばれる妖術師がおり、バラックたち幹部の私室もあることが分かった。

無事に助けた捕虜たちをなぐさめ、戦いの傷を癒した冒険者達は、地下の探索へと向かう。

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ネイロス要塞に元々地下は無かった。100年前の巨人戦争で放棄されてから棲みついた様々な住人達のいずれかが掘り出したものだった。冷たく静まり返った地下は、外の世界から完全に隔離しており、暗がりから何が飛び出してきてもおかしくなかった。

冒険者達を最初に苦しめたのは、「おばば」の用心棒であるオーガたちとホブゴブリンだった。凶暴なアウルベアをペットにしていたが、不意打ちに成功した冒険者達はペットが檻から出される前にオーガを無力化し、危機を避けることに成功した。

おばばとは「グリーン・ハグ」だった。バラック達の相談役や占い師として行動を共にしていたのだ。インヴィジビリティ(透明化)の魔法を駆使し、冒険者達の気づかないうちに近づくと、か細い腕からは想像できないほどの膂力で攻撃してきた!苦戦を強いられたものの、歴戦を重ねてきた冒険者達によって妖婆は倒された。

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砦の地下の脅威をも退けた冒険者達は、もはや敵対するもののいなくなったネイロス要塞を隅々まで探索した。グリーン・ハグの部屋からは価値ある魔法のカバンなどを手に入れた。残念ながら、幹部達の部屋はほとんどもぬけの殻であり、引越しが終わった後だった。

 

それでも、たった数人で50匹以上の妖魔を倒し、難攻不落のネイロス要塞を攻略した功は大きい!

親切な冒険者達は、捕虜になった村人を安全に家まで送り届け、要塞で手に入れた宝を持ってホームタウンであるヴェラダインに帰還した。彼らの活躍は瞬く間に人々に知れ渡った。

評議員マイス・エルレウスは、冒険者達の勇名を利用するため、城下に人々を集めて評議員の手柄であることを示した。増税のせいで下がっていた人々の関心を逸らすのが目的だった。

 

いずれにせよ。冒険者たちの活躍はヴェラダインの人々に受け入れられ、勇者として知れ渡る事になった!

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