パルムフェンス キャンペーン

D&D3.5 オリジナルキャンペーン資料

第6話「The Designs for Devil (悪魔の企み)」

■冒険の導入

隠されていた悪は、ついに暴かれた!!
評議員フェルディナン・ファブスターは行方不明となり、屋敷には悪が潜んでいる!もし彼が人質になっているのならば、慎重な行動こそが彼の命を救うだろう。
稀代の魔術師ネッド・ファブスターが設立した、邪神と悪魔と信徒からなる秘密結社「TRINITY」。評議員フェルディナンによって組織された「Dawn of Horizon(暁の地平線)」。
知られざる二つの組織の対立が明らかになる時、傲慢な町ヴェラダインの闇もまた明らかになる!!

■参加キャラクター
(1) アノーリオン     :半エルフ、男、クレリック2(ラサンダー) / ファイター3
(2) ウズサロ       :半オーク、男、バーバリアン5
(3) フィル・オニキス   :エア・ジェナシ、女、スワッシュバックラー4
(4) ”魔弾の” ザック    :ノーム、男、ウィザード5
(5) ナイロ        :エルフ、男、ローグ5
(6) ミセル・スカーレット :半エルフ、女、バード5
 
■冒険ログ
ヴェラダインに不穏な空気が流れる。「モンテクオンの海戦」で海賊艦隊は撃破された。しかし思わぬ苦戦によって大打撃を受けた海軍を立て直すために、ヴェラダイン評議員は限定的な期間の増税を決定したのだ。市民は平和を喜ばず、私欲を肥やす大商人や評議員を憎んでいた。

 

アノーリオンは夢の中で”暁の神”ラサンダーと対面する。太陽神との接触は彼に大いなる加護を与えた。ラサンダーの意志を受け継いだアノーリオンは、”悪”に対する感知能力を得たのだった。

また卓越した魔法技術を開花させたザックは、まるで戦士の剣や槍のように魔法を扱い、マジック・ミサイルなどの射出系呪文の巧みさから”魔弾の”ザックと称されるほどになっていた。

f:id:dndviva:20190401163733j:plain

ファブスター家が占領されていることを知った冒険者たちは、フェルディナンを救う為に屋敷への侵入方法を探る。彼らは二手に分かれて正面と側面から侵入したが、不意打ちを行う事はできなかった。

館の一階で総力戦が始まった!!ファブスター家は、邪悪な魔法使いとドゥエルガル(グレイ・ドワーフ)が占拠しており、マルセイ殺しの真犯人でもあるインプも潜んでいた。

敵魔法使いのインヴィジビリティや召喚されたモンスター、エンラージ(巨大化)したドゥエルガルとの戦いは熾烈だったが、あちこちで行われた戦いにそれぞれが勝利し、インプの捕獲に成功し、侵入していた悪を鎮めたのであった。

無事に囚われていた使用人たちを助けたが、肝心のフェルディナンと、最も古い使用人であり、旧ファブスター家の探索では冒険者たちと一部行動を共にした馴染みの使用人頭ハンスの姿がなかった。

ハンスこそTRINITYの手先だったのだ!!

存在を知られたTRINITYたちは、大胆な行動に出た。ハンスの手引きで、フェルディナン邸の秘密の地下道から現れた彼らは屋敷を占拠。そのままフェルディナンを地下へと連れ去ったという。

依然として不条理なTRINITYの行動は怪訝ではあったが、冒険者たちは休憩の後にフェルディナンを追って屋敷の地下へと向かったのであった。

f:id:dndviva:20190406202548p:plain

-------------------------------------------------------------------------------------

フェルディナン邸の地下はダンジョンになっており、一時的に何者が暮らしていた跡もあった。しかもダンジョンの扉には逆三角形を模したTRINITYのマークが刻まれていたのだ。ここはTRINITYに深い関連がある施設だった。

ダンジョンの入り口で運悪くトラップにかかり、ローグのナイロが落とし穴に!!連動した罠がモンスターを閉じ込めていた檻を開け、海底洞窟でも遭遇したスペルスティッチト・グールが解き放たれる!!

冒険者たちは後手後手に回ってしまい、いきなり思わぬ苦戦を強いられてしまった。召喚されたモンスター、前衛を無力化させるようなフォッグ系呪文、さらに長引いた戦闘によってTRINITYのメンバーたちもやってきてしまう。

何とか激闘を制した冒険者たちだったが、深手の治療と戦闘でほとんどの魔法を使いきり、これ以上の探索がほぼ不可能になってしまった。それでも少しでも先に進もうと、慎重に探索を続けると、、、TRINITY創設者であり、フェルディナン氏の曽祖父でもあるネット・ファブスターの肖像画のかかっている食堂、ほとんどの食材が運び出された後の厨房で、残りものを漁っていたバグベア、それを倒した後には、ドゥエルガル(グレイ・ドワーフ)に急かされながら荷物を運び出している最中のゴブリンたちと遭遇した。彼らは引越しの最中だったのだ!!

エンラージとインヴィジビリティ能力を持ったドウェルガルを、残った戦闘力の全てを注ぎ込んで倒した冒険者たちは、一旦謎の地下迷宮から立ち去り、翌朝まで十分な休憩をした後に再びチャレンジした。

……しかし襲撃者たちが住んでいた部屋はもぬけの殻になっており、ネッドの肖像画も外され、TRINITYのマークも削り取られていた。TRINITYは全ての痕跡を消し、再び闇に消えてしまった。

-------------------------------------------------------------------------------------

僅かでも痕跡は無いかと、一握の希望を胸に探索を続けた冒険者たちは、すでに蔵書を持ち出された空の図書館で思わぬ再会をした。深手を追って死にかけていたアレイニアの”クロジンデ”である。旧ファブスター家で平和的に分かれたはずの彼女は、その旺盛な知識欲でファブスター家に興味を持ち、自力でTRINITYの存在に辿りついたばかりか、TRINITYと接触して協力関係を築くまでに至っていた。彼女はここで資料の研究を任されていたのだ。

クロジンデによると、この施設こそTRINITYが誕生した場所であったらしい。事実、奥の部屋には海底洞窟に続いていた(今は水没している)と思われる通路もあった。しかしまだ研究の途中にも関わらず、TRINITYがここを引き払う事になり、その際に彼女は不要であるとして殺されかけてしまったのだ。

f:id:dndviva:20190216221553j:plain

アノーリオンのキュア呪文で一命を取りとめたクロジンデは、研究欲と類稀な知識を活かして、冒険者たちに協力する事を約束した。しかしフェルディナンの行方は知れず、途方に暮れかけた冒険者たちだったが、TRINITYたちは、かつて雷鳴山のコンゴウ国を支配していた”デス・アイ”バラックと連絡を取ろうとしていたことが、クロジンデから明らかになった。曖昧な情報ではあるが、唯一の情報である。

引き続き探索を進めた冒険者たちだったが、一夜のうちに徹底した証拠隠滅が行われ、手がかりは何も見つからなかった。最深部では謎の大型スケルトンが放棄されていたが、準備の整っていた冒険者たちの相手にはならなかった。この施設は完全に放棄されてしまったのだ。

それでもフェルディナンの行方を知る手がかりを得ようと、魔法使いのザックが一計を案じた。使い魔のカラスを呪文で犬に変身させ、匂いを辿る事にしたのだ。

※本来オルター・セルフの呪文は、変身後の生物の変則能力(鋭敏嗅覚)は手に入らない。DMのミス・ジャッジである。

TRINITYは今朝早くに引越しを終えており、まだかすかに匂いが残っていた。痕跡を辿ると、彼らは別の出口から下水道に出ていた。下水道の強烈な匂いで痕跡を失ってしまい、アティアグ(オチュー)と遭遇したが、流れてきた汚物の食事に夢中だったため戦闘を回避できた。

再び痕跡を見つけた冒険者たちは、TRINITYたちが下水道からヴェラダインの裏道に出て、そこから馬車で船着場へ行ったことが分かった。彼らはファブスター家所有の帆船でいずこかへ去っていた。

 

闇は再び闇の中へ消えた。肝心のフェルディナンの行方は知れないままであったが、これまで明らかにならなかったTRINITYの存在を明かし、ファブスター家の使用人たちを救った功績は大きい。もちろん生け捕ったインプから、冒険者たちに対するマルセイ殺害の冤罪も晴れた。

冒険者たちは、TRINITYの陰謀を阻止し、フェルディナンを救うことを大海原に誓うのだった。